高速回転する金属を、高い精度で切削していく。その微細だが力強い動きから、世界最高品質の精密部品が生まれる。小型人工衛星のような航空宇宙分野から、医療機器、電機・電子機器まで、由紀精密が60年に渡り培ってきた精密切削加工技術。本作では、その過程から削り出されるさまざまなノイズを、NAO TOKUIが骨太なミニマル・ダブに再構築した。
由紀精密の中心技術は切削加工。材料は、航空宇宙系の製品には耐熱合金、医療機器系の製品にはサビに強く肌に影響の少ないチタンなど、難削材と呼ばれるものが多い。
難作材は柔らかく粘っこい。耐熱合金はその名の通り熱が材料の中に伝わりにくい分、削る刃物に熱がこもりやすく摩耗や破損を起こしやすい。
ここでは切削加工中に煙が発生しているが、本来は油をかけながら加工を行うため煙は発生しない。
最終的な目標の形状に一度に削り切ることはできない。何度も往復して少しずつ削りを入れて最終の形に近づけていく。
同じ形状でも表面にはニュアンスの違いが存在する。最初から深く削ると抵抗が強いため表面に荒く凹凸が残り、後から表面を一定に加工することが難しくなる。
ゆっくり削る部位もあれば、素早く削る部位もある。素材を一回転させるのに対して工具をどれくらい前に動かすか、そういった加工条件のバランス感覚に職人のセンスが表れる。
1961年創業。国内では神奈川県茅ヶ崎市の本社工場、横浜市の横浜ファクトリー、都内の東京オフィス、海外ではフランスにも支社を構える。精密切削加工技術を活かした部品製造だけでなく、設計・開発も自社内で行う「研究開発型」町工場を標榜している。
DJ、アーティスト、研究者。PROGRESSIVE FOrM、op.discなどのレーベルでのリリースや故Nujabesとのコラボレーションで知られる。 2016年にはブライアン・イーノのミュージックビデオの制作を担当。人工知能DJとBack to Backを行う「AI DJ Project」の公演を国内外で行うなど、常に新しい試みに取り組んでいる。
1979年北海道網走市生まれ。1999年に世田谷ハートビートレコーディングスタジオでエンジニアとしてのキャリアをスタート。2009年にフリーランス。現在は京都を拠点に、レコーディングミキシングエンジニア、ライブPA、マスタリングと、柔軟かつ多角的にアーティストと関わる。
福岡県出身。1985年生まれ。 2008年株式会社ピクト入社。2016年シネマトグラファーとして活動開始。
長野県出身。2012年電通クリエーティブX入社。Dentsu Craft Tokyo所属。プロデューサー兼、編集も担当。