高品位セラミックスを焼成する技術と、精密な印刷技術。1908年から培ってきた陶磁器づくりの技術を生かし、自動車やスマホなどの根幹となる最先端の回路基板が創り出されている。工場に溢れるのは、セラミックスを加工する音。電子回路がセラミックスに印刷される音。その微細な音を、食品まつりが色彩豊かなハイブリッド・ダンストラックに昇華させた。
“電子基板”と言われてイメージする緑色の板は樹脂でできているが、NIKKOではセラミックス、つまり陶磁の電子基板を作っている。
焼き上げる前の柔らかいセラミックスのシートをプレスで型抜きしていく。電子基板の回路設計に沿ってシートに穴が空けられていく。
電子回路はシルクスクリーンでセラミックスの板に印刷される。刷り機のサイズに合わせてシートが仕上げられていく。基盤のサイズにシートをくり抜いたあとの廃材が積み重なっていく。
シートを窯で焼くことで、硬いセラミックスの板ができあがる。セラミックスでできた電子回路は熱に強く放熱性が高いため、車のエンジンなど熱をもちやすい場所に使われることが多い。
焼き上がった板の表面を洗浄ラインを通して綺麗に仕上げていく。細かく密集した電子回路パターンを形成するためには平滑でクリーンな表面状態が必要とされる。
1908年に陶磁器メーカーとして創業したNIKKO。セラミックス製電子基板製造の裏には、独自の陶磁器づくりの技術・ノウハウが応用されている。
1908年創業。石川県白山市に工場を構える。明治時代の陶磁器食器の製造からスタートし、現在は機能性セラミックと呼ばれる電子回路や、FRP(繊維強化ポリエステル樹脂)を応用した住宅関連設備機器の製造を行っている。陶磁器づくりの技術を生かし、自動車やスマホなどの根幹となる最先端の回路基板を製造している。
名古屋出身のトラックメイカー / 絵描き。シカゴ発のダンスミュージック、ジューク / フットワークを独自に解釈した音楽でNYの"Orange Milk"よりデビュー。常識に囚われない独自性溢れる音楽性が注目を集め、七尾旅人、あっこゴリラなどとのコラボレーションのほか、Unsound、Boiler Room、Low End Theory出演、Diplo主宰の"Mad Decent"からのリリース、英国の人気ラジオ局NTSで番組を持つなど国内外で活躍。2016年に"Orange Milk"からリリースしたアルバム「Ez Minzoku」はPitchforkやFACT、日本のMUSIC MAGAZINE誌などで年間ベスト入りを果たした。2018年9月に"Sun Ark / Drag City"からLP「ARU OTOKO NO DENSETSU」、さらに11月にはNYの"Palto Flats"からEP「Moriyama」を立て続けにリリース。2019年3月には再び"Mad Decent"からEP「ODOODO」をリリースする。
1979年北海道網走市生まれ。1999年に世田谷ハートビートレコーディングスタジオでエンジニアとしてのキャリアをスタート。2009年にフリーランス。現在は京都を拠点に、レコーディングミキシングエンジニア、ライブPA、マスタリングと、柔軟かつ多角的にアーティストと関わる。
身近にある素材に注目し、それを分解し再構築する手法で作品をつくる人。このプロジェクトでは、町工場に注目し、映像監督も兼任して制作に携わる。