この工場では1日に約40万本ものねじが絶え間なく製造されている。ねじは宙を舞い、整列し、完成されていく。その過程で鳴り響く無個性なリズムとビートを、東京の夜を彩る貴公子Dorianが、煌びやかなテック・トラックに再構築した。都市の片隅から、夜は始まる。そのことに気づかされる、リアル・アーバン・インダストリアル・ポップチューンの誕生だ。
ねじは金属の線材を原料にしてつくられる。まず、ねじの頭をつくる加工機械に線材が送り込まれるところから、ねじ製造は始まる。線材の材質は製造するねじの種類によって様々である。
右から左へと出てくる線材を前から叩き、ねじの頭をつくる工程。叩く側の器具にはドライバーの先端のような突起がついており、頭をつくる際にプラス型などの穴があけられる。
この映像では接触面が見えないが、溝のついた2つの板を擦り合わせて、らせん状の溝をいれている工程。削っているのではなく、溝を押しつけることによって材料の金属を型に合わせて変形させている。
最後の仕上げでは、らせんの先にとっかかりのような切れ込みを入れる作業が行われる。残念ながら機械の内部に隠れてしまっているが、中央の油がかかっている部分でそれが行われている。
浅井製作所で製造している製品の一部。さまざまなねじをたったひとりの工場で扱っている。
埼玉県草加市にある、ねじ工場。一般規格品のねじや低頭ねじ等を一日約40万本ほど製造している、いわゆる「ねじや」である。自社サイト「ねじこうば.com」を運営し、個人受注の極小ロット特注品にも対応する。また「ねじ工房」という名義では、本物のねじを使ったアクセサリーなども手掛けている。
オールインワン・グルーヴマシンを駆使したライブ、アーバン・ダンス・ミュージックで支持を集める。これまで3枚のオリジナルアルバムの発表。近年はDorian Quiet Sessionとして複数人でのライブ、浅野達彦とのライブや藤井洋平のサポートキーボードなど形態も様々。七尾旅人、やけのはら、TOWA TEI、一十三十一、VIDEOTAPEMUSIC、DE DE MOUSE、らの作品への参加や様々なアーティストのリミックスや楽曲提供、TVCM、など多数手がけている。
1979年北海道網走市生まれ。1999年に世田谷ハートビートレコーディングスタジオでエンジニアとしてのキャリアをスタート。2009年にフリーランス。現在は京都を拠点に、レコーディングミキシングエンジニア、ライブPA、マスタリングと、柔軟かつ多角的にアーティストと関わる。
1984年神奈川生まれ。 仕事の傍ら、もともと好きであった写真やデザインを活かしたNPOの支援や、VJ経験を元にムービー制作を行っている。
身近にある素材に注目し、それを分解し再構築する手法で作品をつくる人。このプロジェクトでは、町工場に注目し、映像監督も兼任して制作に携わる。